経営方針

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トップメッセージ

代表取締役社長 原一将

株主の皆さまにおかれましては、日頃よりご支援とご愛顧を賜り、厚くお礼申し上げます。

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の拡大と縮小に合わせ経済活動の制限と緩和が繰り返される中、景気は緩やかに持ち直しています。世界経済におきましては、ワクチン接種率の増加に伴い、欧米諸国では回復の兆しがみえたものの、原材料・エネルギー価格の高騰、中国でのCOVID-19の再拡大によるロックダウン等による経済減速懸念、ロシア連邦によるウクライナ侵攻の影響など、先行き不透明な状況が続いております。

当社の属するエレクトロニクス産業におきましては、製造業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化やデジタル関連需要の増加を背景に、期を通じて半導体の需要は高い水準で推移しました。産業機器市場におきましては、半導体への設備投資が加速し各種半導体製造装置の需要が拡大、製造業の自動化・高度化を目的としたFA機器や工作機械など幅広い分野で市場が成長しました。また、通信インフラ市場やコンピュータ市場では、第5世代移動通信システム(5G)や人工知能(AI)システムのクラウド化を背景に、スマートフォンやデータセンター等も増加しメモリーなどの需要が拡大しました。車載市場では、半導体不足による生産調整が発生していますが、より高度な自動化・脱炭素化向けに、電装化やEV(電気自動車)化の動きが加速しました。IT産業におきましては、企業のデジタル化への取り組みを背景に、IT投資の回復基調が継続しています。高い利便性を提供するクラウドサービスの利活用が進んでいる一方で、クラウドへの移行にあたっては情報流出等の懸念から包括的なセキュリティ対策を講じることが重要になっています。加えて、リモートワークの定着により、社内システムと社外との境界防御に依存しないセキュリティ対策や、高度なセキュリティ人材不足を背景に運用性の高いセキュリティサービスへの需要が高まっています。また、企業のセキュリティ対策が拡充されていく中で、インターネットに面している脆弱なシステムを対象とする攻撃が見られるようになっており、アタックサーフェイス(攻撃対象面)の管理に注目が高まっています。

集積回路及び電子デバイスその他事業におきましては、半導体不足や材料不足、原材料の高騰などサプライチェーンの混乱が続いているものの、世界的な半導体需要の増加を背景に、各市場にて大きく伸長しました。産業機器市場は、生産の自動化・高度化を目的としたFA機器をはじめ、半導体製造装置、計測機器、医療機器など、幅広い分野へアナログ製品やその他標準IC等の需要が大幅に増加しました。車載市場は、半導体不足による生産調整がありましたが、自動車電動化を背景にアナログ製品やその他標準IC、ASSPなどが好調に推移しました。通信インフラやコンピュータ市場は、5Gやクラウド化を背景にデータセンター向けにメモリーの需要が伸長し、民生機器市場は、エンターテインメント機器向けにアナログ製品を中心に販売が進み、OA・周辺機器市場もコロナ禍で需要が落ち込んだオフィス向け複合プリンター向けにASSPなどが回復しました。

ネットワーク事業におきましては、ソフトウェアは、境界防御に依存しないセキュリティ対策として、エンドポイントセキュリティ関連商品やクラウドゲートウェイセキュリティ関連商品等の需要が大企業や官公庁を中心に継続し、加えて、業務効率化等を目的としたクラウドサービス関連商品の需要が持続したことから、大幅に伸長しました。一方、ハードウェアは、セキュリティ運用の効率化や内部不正対策を目的としたセキュリティマネジメント関連商品等が伸長したものの、一昨年のCOVID-19の感染拡大に伴うリモートアクセスを目的としたゲートウェイセキュリティ関連商品の特需の反動減等により減少しました。

今後につきましては、当社グループが成長と同時に、より収益性を高めるためにグループ経営の変革を図っております。「変化の先頭に立ち、最先端のその先にある技と知を探索し、未来を描いて”今”を創る」というパーパスのもと、当社グループの強みである優れたコンセプトや技術を見極める目利き力、未来構想力、実装力をさらに尖鋭化させ、サイバーとフィジカルをつなげ、「技術商社」の枠を超えた価値そのものを創造するサービス・ソリューションカンパニーとして、様々な社会課題の解決に貢献してまいります。そして、社会的価値と経済価値を両立し、高い付加価値を創造する経営を目指してまいります。

株主の皆さまにおかれましては、今後とも倍旧のご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

代表取締役社長 原一将

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